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TK400レジン
TK400レジンは、不活性支持体にオクタノールを含浸させた抽出クロマトグラフィーレジンです。長鎖アルコール、特にオクタノールの場合、高濃度の塩酸でPaを選択するため、カラムクロマトグラフィーを用いたPa/Npの簡易分離が可能であることをKnight氏らは示しました。
また、Jerome氏とIvanov氏らは、このレジンをPa、Np、U、Thを含む様々な元素に対する選択性の点で特徴づけました(Figure 1)。
Figure 1: 塩酸濃度とTK400レジンに選択された元素のDw値
(データ提供:lvanov氏ら)
Paに対する保持率は、Fe以外の他の元素が保持されないような高い塩酸濃度(7M以上)で急激に高まります。
塩酸濃度が6M以下の場合、PaのDw値が低くなり少量での溶出が可能になります。Ostapenko氏らは、Pa保持に似たような傾向を見つけ、高濃度の塩酸(9M)でPaのkʼ値が高くなることがわかりました。これらの結果は、Np/Paの分離試験でKnight氏らが明らかにした選択性とすべて合致しています(Figure 2)。
Figure 2: 溶出試験: オクタノールレジンによるNp/Pa分離(データ提供:Knight氏ら)
TK400レジンを用いたPa精製は、核医学、地球化学、核鑑識などのアプリケーションを含む様々な分野で報告されています。TK400レジンは、高濃度の塩酸でNbに対する高い選択性を示します。Ti、Zr、Hf、ランタニドは保持されないか、Ta のように非常にわずかに保持されるだけです(Figure 3)。
Figure 3: 塩酸濃度とTK400レジンに選択された元素のDw値(データ提供:Dirks氏ら)
その選択性の点で、Nb/ZrやPa/U/Thといった多くの興味深い分離について可能性があります。Zrを含む様々な元素からNbの分離をした溶出試験と、その時使用した分離技法について示しています(Figure 4と5)。
Figure 4: TK400レジンによるNb分離
Figure 5: 溶出試験:2mL TK400カラムによる陽イオンからのNb分離
Jerome 氏らは以下の手順に従って、Paをその子孫核種から分離するためにTK400レジンを使用しました(Figure 6)。充填や洗浄によりU、Th、Ac、Ra、Pbはレジンから除去され、高い化学収率(〜83%)できれいなPaフラクションが得られることがわかっています。
Figure 6: Paをその子孫核種から分離(データ提供: Jerome氏ら)
別の興味深いアプリケーションをTieu氏らが説明しています。彼らは被照射固体ZnターゲットからのGa-68分離によく使用されるZRレジン/TK200レジンのコンビネーションではなく、TK400レジンカートリッジを単体使用しました。著者は化学収率82%を達成しました。Gaは3.5mLの0.2M塩酸によって、70%を超える放射化学収率で[68Ga]Ga-DOTA-TATEを標識するのに十分な純度で回収されました。
TK400レジンがTRUレジンよりFeに対して高い保持率を持つことから、廃炉サンプルの分析へ応用できることも興味深い事実です。TK400レジン(ほとんどのマトリックス元素からのFe、Nb、Moの分離)とZRレジン(Nb、MoからのFe の分離)を組み合わせた技法は現在最適化している最中です。Figure 7と8は、一般的に得られる溶出試験の結果です。
Figure 7: 選択された元素からのFe/Nb/Moの分離
Fe、Nb、Moはよく保持されますが、Zr、U、Th、Cs、Coのような他の元素の多くは充填と洗浄の間に除去されます。これら3つの元素は希塩酸で溶出し、追加分離のためにZRレジンに直接充填されます(Figure 8)。
Figure 8: ZRレジンによるFe/Nb/Moの分離
TK400レジンはFe、Nbに対して高い選択性がありますが、Zrに対してはありません。そのため、最終生成物からこれらの不純物を減らすことを目的に、固体YターゲットからのZr-89分離に使用できる可能性があります。
最初の試験では、Zr、Y、Nb、Feを含む模擬溶解ターゲット溶液を9M(または10M)塩酸条件でTK400レジンカートリッジに充填し、同じ条件で洗浄しました。NbとFeはTK400レジンに保持され、Zr(とY)は破過します。Zrを含む充填フラクションと洗浄フラクションを合わせ、11M塩酸に調製し、TBPレジンカートリッジにこの溶液を充填します(Graves氏らが説明した技法と同様)。すると、高い化学収率できれいにZrが分離できます。
代わりに、10M塩酸が両カートリッジへの充填に使用できる可能性があることも重要です。これにより合間の塩酸濃度の調製が不要になり、分離を単純化できます。最初の充填の段階でカートリッジを連結することもできますが、この変更には追加のテストが必要です。最終的にZrは希塩酸によってTBPカートリッジから溶出します。
NbとFeは必要に応じてTK400レジンから希塩酸を用いて回収することが可能です。記述した条件で一般的に得られる溶出結果についてはFigure 9と10の通りです。
Figure 9: Zr(およびY)からのNbとFeの除去、2mL TK400レジンを使用
Figure 10: 2mL TBPレジンカートリッジによるZr精製
参考文献
4) V. Ostapenko et al.: “Sorption of protactinium(V) on extraction chromatographic resins from nitric and hydrochloric solutions”, J Radioanal Nucl Chem, (2016), DOI 10.1007/s10967-016-4996-x
5) Süfke F, Lippold J, Happel S. Improved Separation of Pa from Th and U in Marine Sediments with TK400 Resin. Anal Chem. 2018 Jan 16;90(2):1395-1401. doi: 10.1021/acs.analchem.7b04723. Epub 2018 Jan 4. PMID: 29256247.
6) C Gilligan, J Dunne: “Preparation of a 233Pa standard for uranium age dating measurements by MC-ICP-MS.”, European Users Group Meeting in Cambridge (UK) - 21/09/2018
7) C. Dirks et al.: “New developments – TrisKem”, presented at the RANC 2016 conference, 10-16.04.16 - Budapest, Hungary
8) Tieu W, Hollis CA, Kuan KKW, Takhar P, Stuckings M, Spooner N, Malinconico M. Rapid and automated production of [68Ga]gallium chloride and [68Ga]Ga-DOTA-TATE on a medical cyclotron. Nucl Med Biol. 2019 Jul-Aug;74-75:12-18. doi: 10.1016/j.nucmedbio.2019.07.005. Epub 2019 Jul 12. PMID: 31421441.
9) S A. Graves et al., Evaluation of a chloride-based 89Zr isolation strategy using a tributyl phosphate (TBP)-functionalized extraction resin, Nuclear Medicine and Biology, Volumes 64–65, 2018, Pages 1-7, https://doi.org/10.1016/j.nucmedbio.2018.06.003
| TK400 レジン | |||
| 粒 径 | 容 器 | 入 数 | 商品番号 |
|
100 ~ 150 µm |
ボトル |
25g |
TK400-B25-A |
| 50g | TK400-B50-A | ||
| 100g | TK400-B100-A | ||
| 200g | TK400-B200-A | ||
| カラム(2mL) |
20個入 |
TK400-C20-A | |
| 50 ~ 100 µm | ボトル | 25g | TK400-B25-S |
| 50g | TK400-B50-S | ||
| 100g | TK400-B100-S | ||
| 200g | TK400-B200-S | ||
| カートリッジ(1mL) | 10個入 | TK400_1-R10-S | |
| カートリッジ(2mL) | 10個入 | TK400-R10-S | |



















