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newTK227レジンは、ジグリコールアミド(TODGA)をベースにしたレジンです。少量のイオン液体と長鎖アルコールを含んでいます。低濃度の硝酸におけるYの保持力を上昇させるため、イオン液体を加えています。

 

主なアプリケーションは、Y-90分離を利用した海水サンプル中のSr-90の定量で、Kim氏らにより測定結果が述べられています[1-4]。大量の海水サンプル(例. 60kg)からのY-90の抽出と精製による迅速測定法が公開されており、数週間ではなくわずか数日で結果を得ることができます(測定を含む。実際の分離時間は4時間未満)。つまり、非常に大きな時間の節約になる可能性があります。

 

TK227レジンは、元々使用していたDGAノーマルレジンよりも優れた性能を示し、上述の技法で代替となることができます。技法の概要は下記の通りです。

 

Figure 1: 海水中のSr-90定量の作業工程(データ提供: Kim氏ら[1-4])

 

通常、60kgの海水は前処理(ろ過、3M硝酸へ酸化させた後、3~4mgのYキャリアを添加)します。Yは、このタイプのアプリケーション用として特別に開発された装置(SALT-100, WITHTEC社製、韓国)を用いて、海水サンプルから前濃縮します。1チャンネル当たり1mLのDGAカートリッジ2個またはTK227カートリッジ2個の組み合わせで(全体で16カートリッジ)流速80mL/分で送液します。8チャンネルを使用した場合、全体の流速は640mL/分程度になります。

 

カートリッジにYが濃縮されたらすぐ、8セットの積み上げたカートリッジをHidex Q-ARE 100 plus(Hidex社製、フィンランド)へ移し、自動で複数ステップによるYの精製が行われます。

 

それぞれのステップをFigure 2に示します。Figure 3は各ステップで不純物を除去するための概要です。

 

Figure 2: 海水からのY分離の図式[1]

Figure 3: DGAにおける干渉物からのY分離[1]

 

Q-ARE 100 plusでの分離は5mL/分で実施しました。各チャンネルカートリッジ当たり0.1M塩酸40mLを用いて(全体で320mL)、8チャンネル(16カートリッジ)からYを溶出しました。

 

Yの溶出量を抑え、さらに濃縮するために、2つ積み上げたカートリッジのセットをSALT-100に移します。Y溶出液(320mLの0.1M塩酸)を3M硝酸へ調製し、80mL/分でカートリッジへ充填しました。Yを含む積カートリッジをQ-ARE 100 plusへ再度戻し、追加精製サイクル(Figure 2参照)を経て、最終的に40mLの0.1M塩酸中に溶出します。

 

Y-90サンプルは、pH10で沈殿させ、10mLの0.1M硝酸に再溶解させることで、測定用に調製します。サンプルの一部を取り出し、ICP-OESによってY収率を測定します。残ったサンプルをCherenkovモードで10×40分間分析します。

 

50Lの海水と前述の測定法を用いたところ、MDA=0.16±0.1mBq/m3が報告されました[4]。Y収率は通常90%を超えました。

 

幅広い元素に対するTK227レジンの選択性について、Figure 4~9は塩酸、Figure 10~15は硝酸の例で示しています。Dw値はすべてICP-MSによる測定で得られたものです。

 

Figure 4: 塩酸においてTK227レジンに選択された元素のDw値

試験した元素の中で、塩酸においてTK227レジンの顕著な保持を示すものはありません。

 

Figure 5: 塩酸においてTK227レジンに選択された元素のDw値

 

原子価の高いHf、Zr、MoやNbなどの元素は、高濃度の塩酸からよく保持されます。塩酸濃度が下がると、保持率はかなり急激に下がります。

 

Figure 6: 塩酸においてTK227レジンに選択された元素のDw値

すべてのランタニドは高濃度の塩酸でよく保持されます。重ランタニドの保持は軽ランタニドの保持より著しく高くなります。一般的に、ランタニドの溶出は低濃度の塩酸で行います。

 

Figure 7: 塩酸においてTK227レジンに選択された元素のDw値

 

YとScはランタニドと似た挙動をし、高濃度の塩酸で高~非常に高い保持を示し、希塩酸で溶出します。試験した遷移金属は一般的によく保持されませんが、CuおよびCoは例外で6~8M塩酸でいくらか保持されます。

 

Figure 8: 塩酸においてTK227レジンに選択された元素のDw値

Zn、Gaのような元素は2M塩酸以降、かなり高い保持状態であることがわかります。Agは低濃度の塩酸においてある程度保持されますが、高濃度の塩酸では大幅に減少します。

Figure 9: 塩酸においてTK227レジンに選択された元素のDw値

 

U、Th、Snは2M未満の塩酸ではほとんど保持されませんが、この塩酸濃度を超えると保持力が急激に上昇します。Biは逆の挙動をし、低濃度の塩酸で強く保持され、高濃度(例.10M)の塩酸で保持力が減少します。

 

Figure 10: 硝酸においてTK227レジンに選択された元素のDw値

 

試験した元素の中で、Srのみが1M~3M硝酸条件でよく保持されます。

 

Figure 11: 硝酸においてTK227レジンに選択された元素のDw値

 

塩酸と同様に、原子価の高いHfZrNbや少し低いMoなどの元素は、高濃度の硝酸からよく保持されます。

 

Figure 12: 硝酸においてTK227レジンに選択された元素のDw値

すべてのランタニドは高濃度の硝酸で非常によく保持されます。重ランタニドは低酸濃度であってもよく保持されます。全体的に、希塩酸を使用することはランタニドの溶出に最適な選択肢となります。

 

Figure 13: 硝酸においてTK227レジンに選択された元素のDw値

 

YとScは、高濃度の硝酸で非常によく保持されます。Scの保持は低濃度の硝酸で低下しますが、Yの保持は非常に高いまま維持されます。ランタニドと同様に、Yの溶出には希塩酸を必要とします。試験した遷移金属は、硝酸中で顕著な保持は見られませんでした。


Figure 14: 硝酸においてTK227レジンに選択された元素のDw値

 

試験した元素のいずれも、硝酸においてTK227レジンによる強力な保持は示していません。

 

Figure 15: 硝酸においてTK227レジンに選択された元素のDw値

 

UとThは、高濃度の硝酸から良好~高い保持を示しています。Biはかなり低い硝酸濃度においても、全体的によく保持されています。Pbは0.5~1M硝酸で非常によく保持されます。

 

次のFigureは、様々なタイプの水サンプルからYを濃縮、分離することを目的とした、溶出試験の結果を示しています。これらのテストでは、2mLカートリッジと、0.1~0.2M硝酸に酸性化させた1Lの水サンプルを使用しています。TK227レジンの成分に添加したイオン液の影響を見るために、結果をDGAノーマルレジンのものと比較しました。

 

重要事項: このような実験において、Yはmg量で存在する必要があり、微量濃度ではYは定量的に溶出できないことに注意が必要です。

Figure 16: 溶出試験: 1L水道水を0.1M硝酸から充填、2mLのTK227レジンカートリッジによるY分離

 

 

Figure 17: 溶出試験: 1L水道水を0.1M硝酸から充填、2mLのDGAノーマルレジンカートリッジによるY分離

 

TK227レジンは0.1M硝酸からYを定量的に保持することができますが、DGAノーマルレジンはこれらの条件で重大なブレークスルー(破過)を示しています。

Figure 18: 溶出試験: 1L水道水を0.1M硝酸から充填、2mLのTK227レジンカートリッジによる選択された元素からのY分離

 

Figure 18によると、水道水(0.1M硝酸)からYを前濃縮し、その後精製できることがわかります。この分離図式では、考慮対象となる不純物のすべてを除去することができます。

 

海水サンプルでは水道水サンプルとよく似た傾向が見られます。マトリックス負荷が大きいため、これらのサンプルでは高い収率を達成するために、より強力に酸性化(0.2M硝酸)させる必要があります。

 

Figure 19: 溶出試験: 1L海水を0.2M硝酸から充填、2mLのTK227レジンカートリッジによるY分離

 

Figure 20: 溶出試験: 1L海水を0.2M硝酸から充填、2mLのDGAノーマルレジンカートリッジによるY分離

 

海水サンプルの場合、TK227レジンではいくらか破過が起こりますが、DGAノーマルレジン程ではありません。海水サンプルで高いY収率を得るためには、硝酸濃度をさらに高める必要があります。

参考文献

取扱仕様

TK227 レジン
粒 径 容 器 入 数 商品番号

50 ~ 100 µm

ボトル

25g

TK227-B25-S

50g TK227-B50-S
100g TK227-B100-S
200g TK227-B200-S

カートリッジ(1mL)

10個入 TK227_1-R10-S
カートリッジ(2mL) 10個入 TK227-R10-S

TEL:03-3862-2700(代表)

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