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TK221レジンは、ジグリコールアミドとホスフィンオキシドの混合物をベースにしています。少量の長鎖アルコールを含み、また、放射線分解に対する安定性を高めるために、芳香族基を含む不活性支持体に有機相を含侵させています。

 

Figure 1~11は、硝酸(Figure 1~5)と塩酸(Figure 6~11)における様々な元素に対するTK221レジンの選択性を示しています。これらのDw値はICP-MSによる測定で得られたものです。

 

Figure 1: 硝酸においてTK221レジンに選択された元素のDw値

 

試験した元素のうち、硝酸中でCaのみわずかに保持されます。その他のアルカリ元素、アルカリ土類元素、Al は保持されません。

Figure 2: 硝酸においてTK221レジンに選択された元素のDw値

 

YとScは、高濃度の硝酸で非常にしっかりと保持されます。Fe(Ⅲ)も3M以上の硝酸濃度でよく保持されます。

Zn、Ga、Co、Ni、Cu等の遷移金属は硝酸において保持されません。

 

Figure 3: 硝酸においてTK221レジンに選択された元素のDw値


TK221レジンは一般的に、高濃度硝酸でZrやHf 等の第4族元素を保持します。

Figure 4: 硝酸においてTK221レジンに選択された元素のDw値

 

TK221レジンは0.1M以上の硝酸において、ランタニドに対して非常に高い保持率を示しています。重ランタニドは、より希薄な硝酸(0.01M以上)で保持されます。ランタニドに関しては、TRUレジンより保持率が高くなります。

 

Figure 5: 硝酸においてTK221レジンに選択された元素のDw値

 

Uや特にBiは、すべての硝酸濃度にわたってよく保持されますが、Thは0.1M以上の硝酸でよく保持されます。Uの保持率については、DGAレジンのような他のジグリコールアミドベースのレジンよりも大幅に高くなっています。PbとSnは弱く保持されます。

Figure 6: 塩酸においてTK221レジンに選択された元素のDw値

 

塩酸においては、試験したアルカリ元素とアルカリ土類元素のいずれもTK221レジンに保持されませんでした。同じことがAlにも当てはまります。

 

Figure 7: 塩酸においてTK221レジンに選択された元素のDw値

 

YおよびScは、高濃度塩酸(2M以上)においてしっかりと保持されます。Fe(Ⅲ)も、3M以上の塩酸濃度でよく保持されます。

Figure 8: 塩酸においてTK221レジンに選択された元素のDw値

 

原子価が+Ⅳ以上の元素(Nb、Zr、Hf、Mo等)は、高濃度の塩酸でよく保持されます。

 

Figure 9: 塩酸においてTK221レジンに選択された元素のDw値

 

他の多数の遷移金属を除いて、ZnとGaは2M以上の塩酸でよく保持されます。どちらも希塩酸で簡単に溶出します。

 

Figure 10: 塩酸においてTK221レジンに選択された元素のDw値

 

U、Sn、Biは塩酸濃度範囲の全体にわたってよく保持されますが、Thは3M以上の塩酸でのみ保持されます。Pbは唯一あまり保持されていません。

Figure 11: 塩酸においてTK221レジンに選択された元素のDw値

 

ランタニドは一般的に、3M以上の塩酸で非常によく保持され、重ランタニドは1M以上の塩酸濃度でよく保持されます。これらのランタニドは希塩酸で溶出します。

 

TK221レジンの主なアプリケーションの1つは、高酸性溶液から希塩酸(通常0.05Mまでの塩酸)条件で、Luのような重ランタニドを濃縮、精製、置換することです。例えば、DGAノーマルレジンよりも少ない溶液量でLuを溶出するため、Lu-177の製造に使用されます。

 

Figure 12: 溶出試験: TK221レジンを使用

 

Figure 13: 溶出試験: DGAノーマルレジンを使用

 

TK221レジンについては、特にcaおよびnca Lu-177の精製や、最大500mgのYb-176からのnca Lu-177分離の一部として使用するために、現在も多数の技法が開発されています。微量の硝酸塩除去のために、TK221レジンによって得られる最終生成物を1mLのA8カートリッジ(陰イオン交換レジン)にさらに通します。

 

TK221レジンはDGAノーマルレジンと比べてUの保持に優れているため、アクチニドの連続分離のための2カラム分離方式に使用できます。Figure 14は、Uを含む様々な元素の溶出試験について示しています。

 Figure 14: 溶出試験: TK221レジンに選択された元素

 

Uは、使用したすべての硝酸および塩酸濃度でよく保持され、最終的に0.1Mシュウ酸によって溶出する場合があります。Amは、Uより先に希塩酸で溶出すると予想されます。

 

TK221の選択性の点で、U、Th、Pu、Am/Cm、Npの分離には、TEVAレジンとTK221レジンを連結して使用する方法が有効であると考えられます。

 

N. Vajda 氏ら[2]はTEVAとTK221レジンを連結して、水サンプルからPu、Am、Th、Uを分離する技法を開発しました。開発した技法はリン酸カルシウムの予備濃縮に基づくもので、酸化状態の調節に由来するFe(Ⅲ)の存在の可能性を考慮しました。Am溶出量を徹底的に最適化することにより、TK221レジンでAmとUのきれいな分離が実現しました。

 

Figure 15と16は、スパイクした水道水サンプルを使用して、最適条件で得られたクロマトグラムです。

Figure 15: U/Pu/Am/Thの分離、2mL TEVAカートリッジを使用

       (データ提供: N. Vajda氏ら)

 

Figure 16: U/Pu/Am/Thの分離、2mL TK221カートリッジを使用

      (データ提供: N. Vajda氏ら)[2]

著者らは一定条件下で92~106%の高い化学収率と、得られたアクチニドフラクションの良好な分離(クロスコンタミネーションが1%未満)について報告しました。開発した分離プロトコルはFigure 17~19の通りです。

Figure 17: U/Pu/Am/Thの分離、TEVA/TK221の連結カートリッジを使用

      (データ提供: N. Vajda氏ら)

 

まず、TEVAとTK221の連結カートリッジに、溶解したリン酸カルシウム沈殿物を充填します(Figure 17)マトリックス除去のためにカートリッジを3M硝酸で洗浄し、UとAmをTK221 カートリッジに定量的に移動させます。その後、両方のカートリッジを切り離します。TEVAカートリッジがPuとTh を分離し(Figure 18)、TK221カートリッジがUとAmを分離します(Figure 19)。

Figure 18: 切り離した後のTEVAカートリッジによる分離ステップ

                (N. Vajda氏らによる)[2]

Figure 19: 切り離した後のTK221カートリッジによる分離ステップ

                (N. Vajda氏らによる)[2]

 

この開発技法をPu-239、Am-241、Th-230、U-233を添加した水道水や海水サンプルのアルファ線スペクトル測定に適用したところ、アクチニドがきれいに分離できること、また高い化学収率が得られる可能性があることがわかりました(Table 1)。

 

Table 1: アクチニドの化学収率、800mL水道水および海水サンプル(データ提供: N. Vajda氏ら)

海水サンプルのような高電荷マトリックスの場合で、化学収率はU、Pu、Amで~90%、Thで~70%と、水道水(90~108%)よりも10~20%程低いだけでした。つまり、TEVA/TRUレジンを使用した従来の技法に取って代わることができる上、Am保持はより強固なものになります。

 

N. Vajda氏らは、Acの保持に関してさらに調査しました(3)。

Figure 20は、硝酸におけるTK221レジンのAc保持について示しています。

 

Figure 20: TK221レジンに保持されたAcの重量分布比(Dw)

                  様々な濃度の硝酸および塩酸を使用(データ提供:N. Vajda 氏)[3]

 

Acに対するDw値は、非常に高濃度(例.10M)または低濃度(0.05M)の硝酸でさえ大きくなっています。塩酸におけるDw値の測定は現在も進行中ですが、希塩酸中のAcに対するDwは非常に低いことが既にわかっています。Figure 21および22で示されるように、幅広い硝酸濃度でAcの保持率が高いことが溶出試験からわかっています。

Figure 21: 1mL TK221カートリッジからのAcの溶出、10M硝酸

                (データ提供: N. Vajda氏ら)[3]

 

DGAレジン以外では、TK221レジンはAc/ランタニドの分離によく用いられる10M硝酸を使用するステップでAcを溶出しません。

Figure 22: 1mL TK221カートリッジからのAcの溶出、0.05M硝酸

       (データ提供:N. Vajda 氏ら)[3]

 

DGAレジンとは異なり、TK221レジンは希硝酸においてAcを溶出しません。

Figure 23: 1mL TK221カートリッジからのAcの溶出、0.05M塩酸

                (データ提供:N. Vajda 氏ら)[3]

 

Figure 23では希塩酸の場合、0.05M塩酸でAcが溶出することを示しています。

 

希硝酸でAcを保持し、希塩酸で溶出するという事実によると、TK221レジンを用いることでAc溶液を希硝酸から希塩酸に置換できる可能性が出てきます。

 

全体的に、Lu-177精製と似たような分離技法が使用できる可能性があります。まず、高濃度硝酸からAcを保持し、不純物除去のため希硝酸で洗浄、レジンの硝酸濃度を下げて、その後塩酸で溶出するという手順です。さらに、小さい陰イオン交換レジンカートリッジ(1mL A8 カートリッジ)を使用して、最終生成物から微量の硝酸塩を除去するのが理想的です。

 

TK221レジンを使用したAc分離の追加研究は現在進行中です。

参考文献

1) S. Happel: “An overview over some new extraction chromatographic resins and their application in radiopharmacy” presented on the 4th of June 2019 at the 102nd Canadian Chemistry Conference and Exhibition (CCCE 2019) in Quebec City, QC

 

2) N. Vajda et al. (RadAnal): “Report: Investigation on TEVA/TK221 resins for separation of actinides”, Budapest, April 2021

 

3) N. Vajda et al. (RadAnal): “Report: Actinium retention on TK221 resin. Results on batch uptake and column elution experiments” Budapest, May 2022

 

取扱仕様

TK221レジン
粒 径 容 器 入 数 商品番号

100 ~ 200 µm

ボトル

25g

TK221-B25-B

50g TK221-B50-B
100g TK221-B100-B
200g TK221-B200-B
カラム(2mL)

20個入

TK221-C20-B
50 ~ 100 µm ボトル 25g TK221-B25-T
50g TK221-B50-T
100g TK221-B100-T
200g TK221-B200-T
カートリッジ(1mL) 10個入 TK221_1-R10-T

カートリッジ(2mL)

10個入 TK221-R10-T

 

TEL:03-3862-2700(代表)

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