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TK211/TK212/TK213レジン

フランス TRISKEM INTERNATIONAL

TK211レジン、TK212レジン、TK213レジンは、有機リン酸、有機ホスホン酸および有機ホスフィン酸の異なる混合物をベースにした製品です。

 

特定の条件や特定のランタニドの組み合わせの場合、このような混合物はそれぞれの純粋な化合物と比べて高い選択性を持つことがわかっています。

 

有機相は微量の長鎖アルコールを含み、これはレジンにおける放射線分解に対する安定性を高めるラジカル捕捉剤として機能します。有機相を含浸した不活性支持体にも、放射線分解に対する安定性の向上に寄与する芳香族基が含まれています。

 

不活性支持体のキャパシティが大きいため、TK211/TK212/TK213レジンはLnレジンシリーズより抽出剤の負荷量が多くなります。TK211/TK212/TK213レジンには、Lnレジンのようにそれぞれ酸性度における違いがあります。TK211レジンは最も酸性度の高いレジンであり、TK212レジンやTK213レジンの使用時と比べてより高濃度の酸でランタニドやその他の元素を抽出します。TK212はTK213より酸性度の高いレジンです(酸性度の高い順:TK211>TK212>TK213)。

ランタニドの選択性と保持率は、一般的に硝酸と塩酸において3つのレジンで似ているため、ランタニドの分離にどちらの酸も使用できる可能性があります。レジンの相対的な酸性度の違いを利用して複雑なランタニドの分離が可能です。特に、過剰に存在する隣接するランタニドから非常に微量の1種類のランタニドを分離するようなケースです。nca Lu-177(被照射Yb-176ターゲットからの分離)の製造やnca Tb-161(被照射Gd-160 ターゲットからの分離)の製造がその代表例となります。

 

1回目の分離にTK212レジンのような酸性度の低いレジンを使用し、その後、ランタニドフラクションを直接溶出してTK211レジン等の酸性度の高いレジンで追加精製します。追加精製(連続分離)すると、高酸濃度から低酸濃度へのランタニドフラクションの置換に、TK221レジン(またはDGA レジン)を使用する中間ステップを省くことができます。

 

理想的なケースでは、3種類のカラムを完全に連結させた分離も可能です(TK213 → TK212 → TK211)。そのような連続分離ステップの使用例を2つ示します。nca Lu-177の製造は核医学分野での使用の増加により急速に重要視されています。多量(≥ 500mg)の被放射Yb-176ターゲットからの分離を可能にする、信頼性もあり自動化も容易な技法が益々重要となります。

 

Horwitz氏らは、300mgのYb-176ターゲットからnca Lu-177を分離する技法について、3つのLN2/DGAサイクルをベースに述べています。この技法では短い分離時間(~4h)で高い収率(~73%)を実現しますが、多数のカラムが必要となるため自動化は複雑になります。なお、試したターゲット物質も300mgまでです。連続分離を導入することによって、この技法を部分的に簡略化できます。(Figure 1)

 

Figure 1の技法は、最大500mgのYbから高い回収率(~85%) でLuを分離することを可能にし、最終Luフラクションで残るYbも非常に少量となります。

 

Figure 1: 500mg YbからLuを分離する技法の図解(TK212、TK221、TK211レジンを使用)

Luの回収率が向上した要因は、LN2レジンの代わりにTK212レジンを使用したことだけではなく、LuとYbをクロマトグラフィー分離する1回目のTK212カラムにおいて、溶出剤をHorwitz 氏らが推奨する1.3M硝酸から1.25M硝酸/10%エタノールに調製したことによるものです。

 

エタノールを追加した場合、1.25M硝酸の場合で改善が見られますが、3.5M硝酸では改善は見られません。3.5M硝酸をエタノールと混合することは、安全面から絶対にしないでください。

 

Figure 2~Figure 4は、500mg Yb(Lu:Yb 初期比率 =1:1000)からLuを分離する場合の代表的なクロマトグラムです。すべての試験において、安定元素を使用して一定量のフラクションを回収、希釈し、ICP-MSによってオフラインで分析しました。LuとYbの相対回収率を計算し、溶出量に対してグラフ化しました。

 

 Figure 2: TK212カラム(2.5×30cm、150mL)によって500mg Yb からLuを分離した例

               (1.25M硝酸/10%エタノールおよび3.5M硝酸を使用)

 

上記の試験で3.5M硝酸へ置換たのは、分離のかなり遅い段階であることに注目してください。最終版のプロセスではより早い段階で置換する必要があり、選択したcut-off point(緑の枠内の左端)に近い、放射線検出によりトリガーされるのが理想的です。

実際に置換をした瞬間は、特に最初のカラムでLuの回収率とYb のキャリーオーバーにかなりの影響を与えます。これは、主にマクロ量のYbが引き起こすテーリングによるものです。

 

緑の枠内に含まれるフラクション(“Luフラクション”)をまとめて5gのTK221カートリッジに通し、≤0.05M塩酸に置換ます。そして、希塩酸中で得られたLuフラクションを続くTK212カラム(1.5×30cm、53mL)に充填します。

Figure 3: 2つ目のTK212カラム(1.5×30cm、53mL)によって、1つ目のTK212レジンで得た

                94mg Ybを含むLu分離フラクションを分離した例(1.25M 硝酸/10%エタノールを使用)

 

カラム内に存在するYbの量が少ないため、YbとLu溶出によるテーリングは1回目のTK212カラムに比べてそれほど顕著ではありません。

 

この試験では、Luを含むフラクション(緑枠)は高濃度硝酸中に溶出せず(Horwitz 氏らの技法で説明)、TK221レジン(またはDGAレジン)を通って希塩酸において溶出し、次のTK212レジンに入ります。

 

 Figure 4: TK211カラム(1.1×30cm、29mL)によって、2つ目のTK212レジンで得た

                1mg未満のYbを含むLu分離フラクションを分離した例(3.5M硝酸を使用)

その代わり、Luの最終精製のためにフラクションをまとめてTK211カラム(1.1×30cm、29mL)に直接充填します。

 

例えば3.5M硝酸で分離/溶出すると、最終的にLuを得ることができます。最終工程では、得られたLuフラクション(緑枠で表記)をまとめて2mLのTK221カートリッジに充填し、3.5M硝酸と0.1M硝酸での連続洗浄を経て、残った潜在的不純物を除去します。Luは最終的に≤ 0.05M塩酸を用いて溶出します。

 

残る可能性のある微量の硝酸塩は、1mLの陰イオン交換カートリッジ(A8レジン)を用いて除去します。現在、この分離技法を高度化するために最終調整中です。

 

他の放射性ランタニドで用途が増えているのはテルビウムです。Tb同位体は、PETイメージング(Tb-152)、SPECTイメージング(Tb-155)、アルファ線治療(Tb-149)およびベータ線治療(Tb-161)に用いられ、核医学の ʻswiss army knifeʼ と呼ばれています。特に、Tb-161に関してはその重要度が顕著に高まっており、被照射GdターゲットからTbを分離する方法が必要とされています。

 

500mg GdからTbを分離する方法の高度化を現在進めております。Figure 5は、推奨する分離工程を図式化したものです。この分離はYbターゲットからLuを分離する(Figure 1)より単純です。

 

Figure 5: TK212とTK211による500mg Gd からのTb分離の図式(現在開発中)

 

Figure 6とFigure 7は、通常得られるクロマトグラム(安定Gd、Tb、Dy、元の比率1000:1:1)です。Luの分離のように安定元素を使用して分離し、一定量のフラクションを取得して、ICP-MSによって分析しました。1回目の分離にはTK212カラムを使用して、まずGdおよびDyからTbを分離します。

Figure 6: TK212カラム(2.5×30cm、150mL) によって500mg GdからTbを分離した例

              (0.2M硝酸、0.5M硝酸を使用)

 

得られたTbフラクション(オレンジ色の枠で示されている所)をまとめてTK211カラムに直接充填してTbを最終精製します。Figure 7でわかるように、選択した条件ではGdのほとんどが充填時に破過し、カラムに残ったGdは0.5M硝酸で除去されます。

 

Lu分離では、少量のエタノール(10% v/v) を追加すると分離が改善されます。これがTb分離にも応用できるかについては現在確認中です。

 

Figure 7: TK211カラム(1.1×30cm、29mL) によって500μg GdからTbを分離した例

              (0.5M硝酸、0.75M硝酸を使用)

鉱酸濃度が上昇すると(この例では0.75M硝酸まで)Tbは溶出しますが、カラムに微量のDyが残る可能性があります。Dyの存在を除外すれば、この溶出に高濃度の酸を使用できるので、溶出量の削減に繋がります。

 

最終工程で、2mLのTK221カートリッジでTbを濃縮、残っている可能性のある不純物は0.75M硝酸と0.1M硝酸による連続洗浄によって除去します。Tbは最終的に0.05M以下の塩酸で溶出します。最後まで残っている可能性のある硝酸塩は、1mL の陰イオン交換カートリッジ(A8レジン)によって除去できます。

 

この分離技法の最適化および高度化に現在取り組んでいる最中です。Figure 8は、150mLのTK212カラムによって1g GdからTbとDy(各1mg)を分離した例です。

 

Figure 8: TK212カラム(2.5×30cm、150mL) によって1000mg GdからTbを分離した例

              (0.3M硝酸、0.5M硝酸を使用)

 

TK211/212/213レジンの充填済みカラム製品については、様々なサイズ(例: 150mL、53mL、29mL)を現在開発中です。

参考文献

1) S. Happel: An overview over some new extraction chromatographic resins and their application in radiopharmacy

 

2) E.P. Horwitz et al.: “A Process for the Separation of Lu-177 from Neutron Irradiated Yb-176 Targets”, Applied Radiation and Isotopes,Vol 63, pp 23-36, (2005)

 

3) C Müller et al.:“A Unique Matched Quadruplet of Terbium Radioisotopes for PET and SPECT and for a- and b2-Radionuclide Therapy: An In Vivo Proof-of-Concept Study with a New Receptor-Targeted Folate Derivative” J. Nucl. Med. 53, 1951 (2012)

 

4) CERNCOURRIER: “Terbium: a new ‘Swiss army knife’ for nuclear medicine”, 28/01/2013, accessed 23/08/2020

取扱仕様

TK211 レジン
粒 径 容 器 入 数 商品番号

20~ 50 µm

ボトル

25g

TK211-B25-E

50g TK211-B50-E
100g TK211-B100-E
200g TK211-B200-E

 

TK212 レジン
粒 径 容 器 入 数 商品番号

20~ 50 µm

ボトル

25g

TK212-B25-E

50g TK212-B50-E
100g TK212-B100-E
200g TK212-B200-E

 

TK213 レジン
粒 径 容 器 入 数 商品番号

20~ 50 µm

ボトル

25g

TK213-B25-E

50g TK213-B50-E
100g TK213-B100-E
200g TK213-B200-E

TEL:03-3862-2700(代表)

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