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SrレジンPbレジン(米国Eichrom Technologies社製)等のクラウンエーテルベースの抽出クロマトグラフィーレジンは、水溶性サンプル中のSr-90やPb-210の分離や、液体シンチレーションカウンター(LSC)やガス比例計数管(GPC)による定量に用いられます。これらのレジンは、中~高濃度の酸性条件でのみSrとPbの保持に優れているため、ろ過した原水または酸性の水サンプルからの分析物の直接充填は向いていません。この場合は、イオン交換や共沈殿のような前濃縮のための追加ステップが必要になります。

 

Sr-90やPb-210の分離プロセスを簡略化するために2 種類の抽出クロマトグラフィーレジンが開発され、幅広いpH範囲で回収が可能になりました。水サンプル(pH2〜8)の直接充填が可能になり、続く精製も同じカラムで行えるようになりました。

 

さらに、TK100レジンとTK101レジンは、Baからの分離を含むRaの分離にも使用されます。

イオン液体内のクラウンエーテルによるSr抽出のメカニズムは、イオン液体の鎖長に強く依存することをDietz氏らは示しています。長鎖イオン液体の場合、高濃度の硝酸でSrをよく回収する液-液抽出メカニズムが有利に働く一方で、短鎖イオン液体の場合は、陽イオン交換メカニズムを導入し、低いpH値でSrをよく保持します。Sr保持率は酸濃度が高くなるにつれて減少し、1M硝酸あたりで最も低くなります。高濃度の硝酸で液-液抽出法が優勢になると、Dw値は期待通りに上昇します(Figure 14)。

 

この挙動は、クラウンエーテル/HDEHP系の挙動と非常に一致しています。しかし、イオン液体による選択性が微増することで、TK100レジンと比べるときれいなPbフラクションが得られやすくなります。Srの保持に関してはTK100レジンより大幅に弱いことが判明したため、TK101レジンはPbの分離用としてアプリケーションを限定しました。クラウンエーテル/イオン液体系の抽出クロマトグラフィーレジンはTK101レジンと呼びます。

Figure 14: 硝酸における様々なクラウンエーテルベースの抽出系に対するDsr値

Dirks氏らにより溶出実験が実施され(Figure 15)、TK100レジンと同じ分離スキームを適用することできれいなPbフラクションが得られることがわかりました。TK101レジンを使用すると、1Lかそれ以上のサンプルを5~10mL/分の流速で流し入れたときでさえ、高いPb収率を得ることができました。

 

Figure 15: 溶出試験: TK101レジンに1Lサンプルを100mLずつ分注

 

前述のように、TK101レジンはSrレジン、Pbレジン(米国Eichrom Technologies社製)、TK102レジンと同じクラウンエーテルベースのレジンです。イオン液を使用しており、下のグラフのように低濃度の酸における選択性が大幅に変化します。

 

Figure 16: 塩酸、硝酸においてTK101レジンに選択された元素のDw値

                (データ提供:Ben Russell 氏(NPL))

Srレジン、Pbレジン、TK102レジンは低濃度の酸におけるSr、Ba、Raに対する選択性は示しませんが、TK101レジンは選択性を持っています。

 

希硝酸や塩酸の場合、Ba、Ra、Sr は≤ 0.01M ~約0.05Mで非常によく保持されました。これらの保持率は酸濃度が上昇すると大幅に減少します。硝酸におけるSrの保持は例外で、硝酸濃度>3M で上昇します。

 

RaとBaは低酸濃度で同じような挙動を示しますが、高酸濃度では異なり、特に3M硝酸ではRaよりBaのKd値が大きくなるため、RaとBaを分離することが可能となります。

 

Figure 17: 塩酸、硝酸においてTK101レジンに選択された元素のDw値

                (データ提供:Ben Russell 氏(NPL))

Pbはすべての硝酸濃度にわたってよく保持されており、塩酸の場合、約3Mまで非常によく保持されます。その後、保持率は塩酸濃度の上昇とともに著しく減少するため、Pbの溶出に高濃度の塩酸を使用することは適していると言えます。

 

上のグラフの元素の中でBiのみが特に希塩酸で保持されますが、高濃度の硝酸を使用して簡単に除去できます。ランタニドとアクチニドは塩酸および硝酸においてTK101レジンに保持されません。

Figure 18: 塩酸、硝酸においてTK101レジンに選択された元素のDw値

                (データ提供:Ben Russell 氏(NPL))

試験した遷移金属の中で、Nbだけが高濃度の塩酸でいくらか保持されますが、その他すべての元素は非常に低いKd値を示しました。下のグラフでは、Th、Ce、Pt、Ir、Ba、Ra、Pb に対して実施した溶出試験の結果を示しています。

 

Figure 19: 溶出試験: TK101レジンに選択された元素

                (データ提供:Nora Vajda 氏(RadAnal))

 

Ba、Ra、Pb以外の元素は希酸(ここでは0.05M硝酸を使用)による充填と洗浄によって除去されます。Raは3M硝酸で溶出しますが、BaとPbは保持されたままです。Baは8M硝酸で溶出します。Pb はこれらの条件で保持状態が維持されますが、6~8M塩酸またはクエン酸塩/クエン酸で溶出する可能性があります。

参考文献

1) Jake Surman, Jackie Pates, Hao Zhang and Steffen Happel: “Development of a new resin for the rapid determination of strontium-90 in environmental waters”, oral presentation at the INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON ENVIRONMENTAL RADIOACTIVITY, PLYMOUTH (UK), 4-5 September, 2012

 

2) J.J.Surman, J.M.Pates, H.Zhang, S.Happel: “Development and characterisation of a new Sr selective resin for the rapid determination of 90Sr in environmental water samples”, Talanta, 129 (2014) 623–628

 

3) E. P. Horwitz, M. L. Dietz, R. Chiarizia, H. Diamond, S. L. Maxwell, M. R. Nelson: “Separation and Preconcentration of Actinides by Extraction Chromatography Using a Supported Liquid Anion Exchanger: Application to the Characterization High-Level Nuclear Waste Solutions”, Anal. Chim. Acta 310 (1995) 63-78.

 

4) Carina Dirks, Jake Surman, Jackie Pates, Steffen Happel: Rapid determination of Pb-210 and Sr-90 in water samples using new crown-ether based extraction chromatographic resins”, oral presentation, TrisKem International UGM, 6.10.14, Moscow (RU). 

 

5) van Es, E.M., Russell, B.C., Ivanov, P. et al. The behaviour of 226Ra in high-volume environmental water samples on TK100 resin. J Radioanal Nucl Chem 312, 105–110 (2017).

 

6) Mark L. Dietz, Julie A. Dzielawa, Ivan Laszak, Blake A. Young and Mark P. Jensen: „Influence of solvent structural variations on the mechanism of facilitated ion transfer into room-temperature ionic liquids”, Green Chemistry, 2003, 5, 682–685

取扱仕様

TK101 レジン
粒 径 容 器 入 数 商品番号

100 ~ 150 µm

ボトル

25g

TK101-B25-A  

50g TK101-B50-A
100g TK101-B100-A
200g TK101-B200-A
50 ~ 100 µm カートリッジ(2mL) 10個入 TK101-R10-S

TEL:03-3862-2700(代表)

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