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TBPレジン
TBP レジンは、不活性支持体にリン酸トリブチル(TBP)を含侵させたレジンです(Figure 1)。
Figure 1: TriButylPhosphate (TBP)
TBPは幅広く使用されている抽出剤で、使用済み燃料からのU およびPuの再処理のようなPurex法等に使用されます。また、他の用途としては、分析目的のためのイットリウムの分離等が含まれます。
Figure 2は、硝酸および塩酸においてTBPレジンに選択されたアクチニドのDw値を示しています。通常、アクチニドは酸濃度の上昇につれて保持力が増します。すべてのアクチニドのうち、唯一Pu が硝酸において100 を超えるDw 値を示しますが、Pu 以外のアクチニドのピークはDw 値60 〜80 の間です。Pu は高濃度の塩酸(9M 塩酸でDw 値> 1000)において強力に保持されますが、9M 塩酸中のNp(Dw 値=140) を除く他のアクチニドの保持率はかなり低く、特にTh(IV)はTBP レジンに対する親和性が非常に低くなっています。
Nora Vajda 氏らは、他のアクチニドからPuの分離におけるTBPレジンの有用性と、水サンプル中のPuの測定における使用法を開発しました。
Figure 2: 硝酸(上図)および塩酸(下図)においてTBPレジンに選択されたアクチニドのDw値
Vajda氏は、UおよびPu回収におけるFe(Ⅲ)と3 種類の陰イオン干渉(シュウ酸、硫酸、リン酸)の影響を調査しました。8M 硝酸では、0.1MのFe濃度はU(VI)やPu(IV)の回収を妨害せず、Np(IV)やTh(IV)についても同じことが言えます。ただし、同じFe濃度であっても9M 塩酸では、U やPu の保持に対して非常に強く干渉します。
Figure 3と4は、8M硝酸中のU(Ⅳ)および9M塩酸中のPu(Ⅳ)の保持に対する陰イオンの増加による干渉について示しています。
Figure 3: 8M硝酸中のUに対するDw値と陰イオン干渉物の増加
シュウ酸塩では0.5Mまでの濃度はUの回収に干渉を示しません。硫酸塩、特にリン酸塩は、大量に存在すると重大な影響を及ぼします。
Figure 4: 9M塩酸中のPuに対するDw値と陰イオン干渉物の増加
9M塩酸からのPu(IV)抽出は非常にしっかりしており、試験した陰イオンは0.1M以上の濃度で存在すると回収に干渉を示しますが、PuのDw値は依然として500超を維持します。
TBPレジンは、硝酸や塩酸における様々な元素の回収に関して特徴があります。Figure 5~9は結果をまとめたものです。
Figure 5: 塩酸においてTBPレジンに選択された元素のDw値
Figure 6: 塩酸においてTBPレジンに選択された元素のDw値
Figure 7: 塩酸においてTBPレジンに選択された元素のDw値
Figure 8: 2M塩酸/ギ酸の濃度変化においてTBPレジンに選択された元素のDw値
Figure 9: 硝酸においてTBPレジンに選択された元素のDw値
Pu(IV)やNp(IV)に加えて、Au、Hf、Fe、Sn、Ga のような他の元素も、塩酸においてTBP レジンに高い親和性を示しています(Figure 5)。
Auはすべての試験条件下で保持されたままであるため、塩酸での溶出は非常に困難です。他の元素は高濃度の酸でのみ高いDw値を示し、低濃度の酸では低いDw値を示しています。例えば1M塩酸では、Snが唯一高いDw 値を示し、Fe、Ga、Sb 等はレジンに対する親和性が非常に低いため、Snをこれらの元素から分離することが可能です。この後、0.1M 塩酸でSnを溶出することができます。
還元状態の影響を評価するために2Mの塩酸から選択された元素の抽出における、異なる濃度のギ酸の影響について試験しました。結果をFigure 8に示しています。
TBPレジンは、Snに対して非常に良い選択性を示し、これはTe(Te-126 は、廃炉や放射性廃棄物サンプル中でよく定量される、長寿命のβ放射体Sn-126の質量分析測定の際の同重体干渉物)やCd(核医学で使用される変換電子エミッタのSn-117m 製造の際にターゲット物質としてよく使用される)を超えるものです。Sb に対しても興味深い選択性を示しますが、その酸化状態を注意深く管理する必要があります。
試験したすべての元素のうち、アクチニド(高濃度の硝酸)およびAg(低濃度の硝酸)はレジンに保持されました。
得られたデータを基にDirksらは様々な元素からSnを分離する技法を開発しました。Figure 10は、2mL TBPカラムを使用した提案を図式化したものです。Figure 11は、この手順を用いて溶出試験を行った結果です。
Figure 10: TBPレジンによるSn分離の図式
Figure 11: 溶出試験、TBPレジンによるSn分離
試験した元素のほとんどは、充填時や最初の洗浄で保持されません。Snと、Ga、Feの一部が保持されます。最初にGaとFeを1M塩酸で除去した後、Snを6mLの0.1M塩酸で高純度に定量的に溶出します。多量のFeを含むサンプルの場合、充填前に(例:陰イオン交換によって)Feを除去するか、Fe からFe(II)へ完全に還元する必要があります。
参考文献
1) Dirks C, Vajda N., Kovács-Széles E., Bombard A., Happel S.: “Characterization of a TBP Resin and development of methods for the separation of actinides and the purification of Sn” Poster presented at the 17th Radiochemistry conference, Marianske Lazne (Tcheque Republic), 11 - 16 May 2014
2) Dirks C et al. “Characterization of a TBP Resin and development of methods for the separation of actinides and the purification of Sn”, presentation at the TrisKem International Users Group Meeting in Bath (UK), 16.09.14
取扱仕様
| TBP レジン | |||
| 粒 径 | 容 器 | 入 数 | 商品番号 |
|
100 ~ 150 µm |
ボトル |
25g |
TBP-B25-A |
| 50g | TBP-B50-A | ||
| 100g | TBP-B100-A | ||
| 200g | TBP-B200-A | ||
| カラム(2mL) |
20個入 |
TBP-C20-A | |
| 50 ~ 100 µm | ボトル | 25g | TBP-B25-S |
| 50g | TBP-B50-S | ||
| 100g | TBP-B100-S | ||
| 200g | TBP-B200-S | ||
| カートリッジ(0.3mL) | 10個入 | TBP0.3-R10-S | |
| カートリッジ(0.6mL) | 10個入 | TBP0.6-R10-S | |
| カートリッジ(1mL) | 10個入 | TBP1-R10-S | |
| カートリッジ(2mL) | 10個入 | TBP-R10-S | |



















