製品の詳細
ホーム > 取扱いメーカー > TRISKEM INTERNATIONAL > 製品の詳細
CLレジンは、白金族金属、金、銀に対して選択性がある抽出系に基づいており、主に塩化物やヨウ化物の分離に使用されます。レジンに銀イオンを添加することで、ハロゲン化物に対する選択性がもたらされます。
Table 1は、CLレジンのよって選択された陽イオンのDw値を示しており、実用的な理由で抽出媒体として硫酸が使用されています。CLレジンはPdとAgに対して高い選択性を示し、他に試験した元素のDw値は低くなっています。Agはさらに広範囲のpH(1M硫酸から希硫酸(pH5)まで)にわたって高いDw値を示しています。そのため、広範囲のpH値にわたって抽出されるか、保持されたままになります。
Table 1: 硫酸においてCLレジンに選択された陽イオンのDw値(参考[1])
銀イオンを添加することによって、陰イオン、特にハロゲン化物に対して高い選択性を有し、わずかに水溶性または非水溶性の銀錯体を形成します。1M硫酸条件下で銀が充填されたCLレジンの塩化物とヨウ化物に対するDw値は、それぞれ1600と1980と測定されました。つまり、どちらもこれらの条件下ではよく保持されるということになります。
Dw値の試験で使用されたCLレジンは、抽出実験前に1gのCLレジン当たり20mgの銀イオンが添加されており、これは一般的な処理能力に相当します。これらの条件で銀イオンを添加したレジンの塩化物やヨウ化物に対する容量はそれぞれ、2mLカラム当たり4.3±0.2mg塩化物(CLレジン1g当たり塩化物約6.5mg)、そして2mLカラム当たり16.3±1.6mgヨウ化物(CLレジン1g当たりヨウ化物約25mg)です。CLレジンへ添加する銀イオンの量を増やすことで、ハロゲン化物に対する回収能力を高めることが可能です。
塩化物とヨウ化物を分離するための最適な条件を評価するために、チオシアン酸イオンおよび硫化物イオンの様々な濃度条件で、銀イオンを添加したCLレジンの塩化物とヨウ化物に対するDw値を調査しました。Figure 1およびFigure 2は得られた結果を示しています。
Figure 1: 銀イオンを添加したCLレジンに選択された塩化物イオンとヨウ化物イオンのDw値
pH7および様々なチオシアン酸イオン濃度条件 [1]
Figure 2: 銀イオンを添加したCLレジンに選択されたヨウ化物イオンのDw値
pH7および様々な硫化ナトリウム濃度条件 [1]
塩化物はチオシアン酸イオン溶液を用いることで、レジンから容易に溶離することができます。一方で、ヨウ素はそのまま保持されます。ヨウ素は高濃度の硫化物イオン溶液を用いることで、容易に溶離することができます。これにより、Zulauf 氏らは塩化物とヨウ化物の分離の簡易手順を開発しました[1]。
Figure 3はこの技法を図式化したものです。塩素とヨウ素の両方が塩化物およびヨウ化物として存在していることを確認するために、サンプルは還元剤として0.1M硫酸スズ(Ⅱ)を含む硫酸溶液から流し入れる可能性があります。これは塩素の場合に特に重要なことであり、塩化銀の溶解データから予想されるように、例えば塩素酸塩はレジンに固定されず、ヨウ素は抽出されます。
Figure 3: 最適化された塩化物イオンとヨウ化物イオンの分離技法の図式 [1]
サンプルは銀を添加したCLレジンに1M硫酸(わずかに酸性または中性も可)から充填することが理想的です。1回目の洗浄(脱イオン水)の間に、マトリックス元素と潜在的干渉物はカラムから除去されます。その後、塩化物は少量のチオシアン酸アンモニウムまたはチオシアン酸ナトリウム中に溶出されます。
技法の最適化において、ヨウ素の溶出前にカラムを希アルカリ溶液で洗浄すると、ヨウ素の収率が大きく増加することがわかりました。そのため、最終的にヨウ素が少量の硫化ナトリウム溶液で溶出される前に、1%水酸化ナトリウムでCLレジンカラムを洗浄します。(注記: 硫化ナトリウム溶液を取り扱うすべての作業は、液体シンチレーションカクテル剤の添加を含み、ドラフトチャンバー内で実施する必要があります。)
溶出液量が少ないため、得られたフラクションはLSC(液体シンチレーションカウンター)によって直接測定が可能です。
(注記: LSCカクテル剤の中にはカラムから共に溶出される微量の銀イオンを減少させるものがあり、“黒ずんだ” LSCサンプルとなります。そのため、使用前にカクテル剤をテストすることを推奨します。ProSafe HCは適切なカクテル剤であることがわかっています。)
Figure 4は、Cl-36とI-129を、それぞれ塩化物とヨウ化物として含んだ溶液を使用した溶出試験の結果です。Cl-36とI-129は少量の溶出剤中に定量的に回収され、両方は非常にきれいに分離されます。
Figure 4: Cl-36とI-129が含まれるサンプルの溶出結果、CLレジン2mLに銀イオンを添加
塩化物とヨウ化物フラクションの純度に関する情報を得るために、複数の元素溶液、放射性スタンダード溶液に対して最適な技法を適用することで、除染係数(Df)を算出しました。その結果はTable 2の通りです。
Table 2: 塩化物およびヨウ化物フラクション中の様々な元素の除染係数(Df)
この方法は全体的に、塩化物およびヨウ化物に対して非常に良い選択性を示しました。
分離の平均化学収率は塩化物に対して97.0%±2.5%(k=1, N=30)、ヨウ化物に対して91.7%±10.1%(k=1, N=30)でした[1]。これらの収率はスパイクされた水道水サンプル(Cl-36およびI-129の既知放射能量がそれぞれCo-60、Sr-90、Cs-137プラス約17 Bq)の分析に適用されました。Table 3は得られた放射能量とスパイクした放射能量の比較であり、非常に一致しています。
固定された分離収率を使用し得られた結果は非常に満足の行くものでしたが、可能であれば収率測定(例. イオンクロマトグラフィー)を実施することを推奨します。
Table 3: 測定値 vs 添加した放射能量の比較、スパイクされた水道水サンプルを3回測定、bias and En, k=2
類似した研究はSubatech研究所(フランス)で実施されました[2]。4種類の廃液サンプルに添加し、Cl-36の放射能量を分析しました。(「サンプルCl1およびCl2」には理想的な量のCl-36を添加、I-129は添加しない、「サンプルCl3」はCl-36:I-129=放射能比1:1で添加、「サンプルCl4」はCl-36:I-129=放射能比1:10で添加した。)
Table 4は得られた結果をまとめたものです[2]。得られた値と参考値はよく一致しています。I-129が高い場合であっても、Cl-36の結果に正のバイアスはかからず、塩化物とヨウ化物はきれいに分離されます。サンプルCl1およびCl2に対して得られた結果の標準偏差は3.7%(N=2, k=1)のため、この分離は再現性があることが確認されています。
Table 4: 測定値 vs 参考値の比較、添加した廃液サンプル、バイアス値とゼータ値
水溶性サンプルに加えて、Zulauf氏らは[3]、土壌、コンクリート、メンブレンフィルターサンプルに添加し、分離技法を試験しました。
最初のステップで、3つの担体に対する塩化物とヨウ化物の平均浸出収率を決定しました。核物質のサンプル(約250mg)にCl-36およびI-129を添加し、乾燥し、70℃で4時間1M水酸化ナトリウムに浸出させました。浸出液のCl-36およびI-129放射能量は液体シンチレーション測定を行いました。得られた浸出収率はほとんどの場合で90%を超えました。
規定量のCl-36およびI-129をそれぞれの担体に添加して、新鮮なスパイクサンプルを準備し、その後乾燥させました。乾燥させたサンプルを浸出し、前述のように分離しました。分析を3回実施し、平均浸出および分離収率を放射能量計算に想定しました。得られた結果をTable 5a~cにまとめています。
Table 5a: 測定値および参考値の比較資料、土壌サンプル3回測定、バイアスおよびEn, k=2
Table 5b: 測定値および参考値の比較資料、コンクリートサンプル3回測定、バイアスおよびEn, k=2
Table 5c: 測定値および参考値の比較資料、フィルターサンプル3回測定、バイアスおよびEn, k=2
全体的に、決定値と参考値はよく一致していますが、特にコンクリートおよび土壌サンプルでは、I-129の結果が若干負のバイアスを示しています。そのため、この分離の化学収率を測定することが推奨され、そうすることでこの技法の正確性の改善に繋がります。
Warwick 氏らは[4]、Raddec 社製のPyrolyser サンプル燃焼炉システムを用いて、分析されるサンプルの熱分解に基づいた廃棄サンプル(例:使用済みレジン)の分析技法を開発しました。揮発した塩素種は、湿った空気の流れによって、6mM炭酸ナトリウム溶液を含むバブラーに運ばれ捕集されます。このサンプル処理ステップによる平均回収率は86%であることがわかりました。
その後、バブラー溶液は銀イオンが充填されたCL レジンカラムに直接充填されます。サンプルは高酸性のサンプル溶液から充填されていないため、C-14 除染を改善するための追加の洗浄ステップ(modified wash)が必要になります。Figure 5は、この開発した最適技法について示しています。
Figure 5: 塩化物イオンとヨウ化物イオンの分離技法の図式
Raddec社製Pyrolyserと併用のため最適化[4]
Table 6は、著者によって得られたClフラクションに対する除染係数について示しています(’modified wash’は希硫酸による追加洗浄を含む技法を使用して得られた結果を参照)。得られた除染係数は高く、追加洗浄によってClフラクションのC-14除染係数が大幅に改善されました。
この技法(Pyrolyserステップとカラム分離)による全体的な収率は86%に近く、これはサンプル質量1g当たり20mBq/gの検出限界を、98%の測定効率および180分間の液体シンチレーション測定で達成することが可能となります。
Table 6: PyrolyserおよびCLレジン技法[4]をベースにした除染係数
この技法を使用済みレジンサンプルでさらに試験しました。Pyrolyser/CLレジン技法(4.3±0.1 kBq)を用いて測定した比放射能と期待値(4.1kBq)が良好に一致したことがわかりました[4]。
参考文献
2) A. Zulauf, S. Happel, M. B. Mokili, P. Warwick, A. Bombard, H. Jungclas: Determination of Cl-36 and I-129 by LSC after separation on an extraction chromatographic resin. Presentation at the LSC 2010 conference, 07/09/2010, Paris (France)
3) A. Zulauf, S. Happel: Characterisation of a Cl- and I- selective resin. Presentation at the TrisKem International users group meeting, 14/09/2010, Chester (UK)
取扱仕様
| CL レジン | |||
| 粒 径 | 容 器 | 入 数 | 商品番号 |
|
100 ~ 150 µm |
ボトル |
25g |
CL-B25-A |
| 50g | CL-B50-A | ||
| 100g | CL-B100-A | ||
| 200g | CL-B200-A | ||
| カラム(2mL) |
20個入 |
CL-C20-A | |
| 50 ~ 100 µm | ボトル | 25g | CL-B25-S |
| 50g | CL-B50-S | ||
| 100g | CL-B100-S | ||
| 200g | CL-B200-S | ||
| カートリッジ(2mL) | 10個入 | CL-R10-S | |



















