Hidex 300SL/SLL 全自動TDCR(Triple to Double Coincidence Ratio)液体シンチレーションカウンター

1950年代初期に米国で開発商品化され、世界の生命科学や環境科学の研究推進に大きく貢献した液体シンチレーションカウンターは、世界で最も多く使用されてきた放射線測定装置として高く評価されております。
過去半世紀にわたる液体シンチレーションカウンターの歴史の中で2010年にフィンランドHidex社が従来の技法の殻をやぶる画期的な新型の液体シンチレーションカウンターを開発いたしました。従来は、2本の光電子増倍管を使用し、s/n比を向上させていたものを世界唯一の3本の光電子増倍管を採用し、大幅なるs/n比の向上を実現しました。
従来の液体シンチレーションカウンターは、クウェンチング現象という計数効率を低下させる状況を正確にモニターするため、放射能線源を用いた外部線源機構を内蔵させました。
しかし、Hidex社はこの機構を使用することなしにクウェンチング現象をモニターできるTDCR機構という画期的な技法を内蔵させました。このため開発商品化後5年以内で世界で630台もの装置が各国の優れた研究所に納入されました。
私共日本でも
・放射線医学総合研究所
・東京工業大学原子炉研究所
・国立保健医療科学院
・産業技術総合研究所
・筑波大学大学院
・九州大学アイソトープ総合センター等
60数ヶ所へ納入され、この分野で大いに活躍しております。
世界初の3本光電子増倍管による TDCR技法(Triple to Double Coincidence Ratio)を採用しました
一般的な液体シンチレーションカウンターは、低エネルギーのベータ線測定のためにそのバックグラウンドを減少させる方法として、2本の光電子倍増管を使用し、同時計数回路を構成しています。 しかし、Hidex 300SLでは、世界で初めて120度間隔を持つ3本の光電子増倍管を配し同時計数回路を構成した独特のTDCR技法を採用しました。
1) この結果、外部標準線源機構なしで自動的に正確なベクレル値(DPM)が得られる世界最新・世界初のシステムとなり、今やその優秀性はドイツを中心に100以上の科学文献で十分に証明されています。
2) このTDCR機構の大きな特徴の一つとしてSr-90/Y-90の平衡時間を待たずにサンプル調整後、すぐに測定できるため、Srの測定に際して測定時間の大幅な節約になります。
3) また、尿や血液中に含まれるトリチウムのBioassayを行う場合、脱色せず、そのままシンチレーターを加えて測定できるため脱色時間を気にする必要がありません。
4) 測定前に静電気を放電させる機能が付いているので、静電気を除去することができます。
5) TDCR 技法の Triple counts を用いることで、ケミカルルミネッセンスが発生するサンプルでもルミネッセンスの消失を待たずに即座に測定することができるため、測定時間の大幅な節約になります。
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Hidex社液体シンチレーションカウンター総合カタログはこちら
- TDCR法は外部線源を必要としない絶対値測定(DPM測定)技法です。
- 軽量・コンパクトデザインです。
- 測定器チャンバー部分は7cm全方位型鉛シールドと銅シールドが施されております。
- 20mLバイアルが40本セットできるサンプルトレイとミニバイアルが96本セットできるサンプルトレイが付属します。
- 素早くバイアルを交換できるロボットアームを採用しております。
- アルファ線/ベータ線弁別測定機構を取り付け可能です(オプション)。
Hidex 300SL型 全自動TDCR液体シンチレーションカウンター
寸法:52cm(幅)×63cm(奥行)×68 cm(高さ)
重量:130kg
電源:100V 10A
Hidex 300SL/SLL型 極低レベル全自動TDCR液体シンチレーションカウンター
寸法:本体52cm(幅)×63cm(奥行)×68 cm(高さ)、架台100cm(幅)×70cm(奥行)×59cm(高さ)
重量:180kg
電源:100V、10V